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映画「三生三世十里桃花」をめぐる論戦

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この頃、ネット上で公開中の映画「三生三世十里桃花」を巡って、激しく議論されています。映画などの情報コミュニティー・豆瓣で、ユーザー評価はとても低い4.1ポイントに留まっています。低い点になっている理由は、次に挙げる3点です。

1、「三生三世,十里桃花」という作品は盗作であること

2、見る価値もないほど、下手な演技であること

3、物語自体つまらないこと

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10年前、原作「三生三世,十里桃花」を制作した作家の唐七公子は、当時「晋江」(中国の文学作品の投稿サイト)の人気作家、大风刮过のBL小説「桃花债」のストーリーを盗作し「三生三世十里桃花」を制作しました。10年を経った今も、唐七公子は他人の盗作であることを否定し続け、さらに、この盗作を題材にしたドラマや映画を次々と公開しているのが現状です。

今回の映画「三生三世十里桃花」の公開をきっかけに、人を馬鹿にしたような映画や盗作ではないという嘘について、一段と不満の声が上がっています。その影響を受けてか、映画を見に行く人はだんだん減っています。視聴者のない映画は他に売れるだろうと予測される新しい映画に切り替えるのは映画館の営業方針ですが、主役を担当する女優・劉亦菲と俳優・楊洋を支持するファンは、そのようなことをさせないようにと、同映画各時間帯のチケットを一、二枚ほど入手する運動が全国各地の映画館で行われるようになりました。一方で、これに抵抗するために、映画館はシステム故障として「映画上映の不可」を理由に、チケットを回収してお金を返し、損失を最小に抑えました。これらの行為それぞれは「鎖場(1,2枚を各時間帯で買う行為)」、「反鎖場(それを防止するために上映不可とする対策」と呼ばれています。

さらに、あるゲーム会社は知的所有権について唐七公子を裁判所へ訴えました。

ところで、今回は「三生三世十里桃花」と同時に公開された映画「戦狼2」は、その興味をひくストーリーと素晴らしい演技のために、現時点で45億以上人民元という素晴らしい興行成績で、中国映画の最高記録を更新中です。

今回の事件は、映画制作会社に対し、売れっ子俳優だけを注目の的とする粗末な映画はもう売れないと警告したと言えます。さらに、中国の若者が持つ知的所有権を保護する意識も反映しました。今回の事件をきっかけとして、中国映画の質を一段と向上させる原動力となり、お金儲けをメインとする映画を市場から取り除き、質の高い映画が次々と制作されることを期待します。